1階病棟/森 大樹

 2020年ももうすぐ終わろうとしています。今年は、新型コロナウイルスの影響で自粛ムードが広がり私達の日常が大きく変わった年になりましたね。みなさんは、自粛ムードの広がった中で、どのように過ごされましたか? 私は、これまでのように友人と気軽に会うことができず、また、遠くに出向くことも気が引けるので、せっかくの休日も退屈な時間を過ごしていました。

 そんな中、ある日、退屈な日常を変えた出来事がありました。それは、友人からのテニスの誘いでした。その友人は学生時代テニスの経験は無く、社会人になってからもテニスを始めたというような話を聞いたことがありませんでした。私は友人の誘いに驚きましたが、「折角だし、最近ちょっと運動不足かな?」と思っていたので、「やろう!」とその気になりました。

 まずは、道具を揃える所からでした。友人から「ラケットとシューズ買うき付き合って」と頼まれ、私も必要なものを買うことにしました。中学生時代はソフトテニス部に所属していましたが、硬式テニスとソフトテニスでは道具が異なるため、私自身も手探りでした。ボールやグリップ、シューズなどを選んでいる時は、なんだか中学生になって初めての部活動に臨む気分でした。両親と道具を揃えにいった時の気持ち、「これからやるんだ!」という高揚感、ワクワクに溢れていた少年時代を思い出しました(笑)。

 さて、実際にテニスを始めてみると思っていた以上の楽しさがありました。ソフトテニスより重いラケットで硬くて重たいボールを打つと、想像よりも打球が飛び、スピード感のある打球が相手コートに入ります。相手が打ち返してくる、それに応えて打ち返す。今までにない感覚であり、新鮮でした。基本的なルールはテニスもソフトテニスもさほど変わらないのですが、グリップの握り方が違ったり、バックハンドの打ち方が異なっています。やればやるほど硬式テニスの奥深さを感じて、もっと知りたい、できるようになりたいという気持ちが強くなりました。

 今、テニスの時間が私のささやかな幸せになっています。こういった時間があることは、気持ちをリフレッシュさせ仕事にも良い影響を与えてくれると信じています。

みなさんには、ささやかな幸せを感じる時はありますか? ある方は大切に、今はまだないという方も私と何か新しいことに挑戦してみませんか?


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