TMS治療とは
磁気の力で脳に直接アプローチする、副作用の少ない新しいうつ病治療です。2019年より保険適用となり、土佐病院でも受けていただけます。
TMS治療とは何か
TMS(Transcranial Magnetic Stimulation)とは、「経頭蓋磁気刺激法」の略称です。?頭部に専用のコイルをあて、磁気の力で脳の特定部位を刺激することで、うつ病の症状を緩和する治療法です。
うつ病では、脳の前頭前野の機能が低下していることがわかっています。TMS治療では、この部位に繰り返し磁気刺激を与えることで、低下した神経活動を回復させます。
麻酔や入院が不要で(※)、治療中も意識があり、終了後すぐに日常生活に戻ることができます。
日本では2019年6月より、薬物療法で効果が十分に得られない中等度以上のうつ病に対して、保険適用となりました。当院ではBrainsway TMSシステム(BrainsWay社)を使用して治療を行っています。
※ 当院での実施形態(外来/入院)は要確認。保険適用の場合は入院が条件となる場合があります。
仕組みとメカニズム
磁気が脳を直接刺激し、?神経ネットワークを整える。
コイルに瞬間的に電流を流すと、磁場が発生します。この磁場は頭蓋骨を貫通して脳に届き、脳内に渦電流を生じさせます。
渦電流が脳の神経細胞(ニューロン)を刺激することで、機能が低下した部位を活性化し、神経ネットワークの正常化を促します。
刺激を繰り返すことで脳の神経可塑性(脳が変化する力)が高まり、うつ症状の改善につながると考えられています。
TMS治療の5つの特徴
1. 副作用が少ない
脳の特定部位にピンポイントで作用するため、全身への副作用がほとんどありません。
2. 治療時間が短い
1回の治療は約40分。治療後すぐに日常生活に戻ることができます。
3. 再発率が低い
治療後6〜12ヶ月の再発率は1〜3割と、薬物療法に比べて低いとされています。
4. 麻酔不要
麻酔や鎮痛剤は使用しません。意識のある状態で安全に受けていただけます。
5. 保険適用
2019年より保険適用。高額療養費制度の対象となる場合もあります。
薬物療法との比較
| 薬物療法 | TMS治療 | |
|---|---|---|
| 副作用 | 眠気・吐き気・倦怠感など | ほとんどなし |
| 効果の発現 | 数週間〜数ヶ月 | 数回〜数週間 |
| 治療期間の目安 | 1〜2年以上 | 3〜6週間 |
| 再発率 | 約6割(初回回復後) | 1〜3割(6〜12ヶ月後) |
| 日常生活への影響 | 副作用により支障が出ることも | 治療後すぐに活動可能 |
| 保険適用 | あり | あり(条件あり) |

