ちょっとだけ終活してみた
3階病棟/濱田雅仁
私は去年50歳になりました。若いころは50歳の自分など想像もしませんでした。というか年齢というものを意識したことがありませんでした。今でも年齢を意識することは少ないのですが体形は確実に年齢相応になっているように思います。50を過ぎたころからMサイズがきつくなりLサイズがぴったりな体形になり、Mサイズに戻そうと頑張ってみてもなかなか戻りません。確実に年齢を重ねて死に向かっているのです。
そこで、最近よく耳にする終活について自分なりに考えてみることにしました。といっても一般的に言われる財産の整理や遺言書の作成、葬儀の準備などの終活ではありません。確実に訪れる死を意識した時に今の自分に何が必要で、今のうちに何をしたいのかといったことです。第一に身の回りの断捨離です。まず、衣類についてですが、私は着るものには無頓着で各シーズンで2〜3パターンあれば十分なのにクローゼットには、いつか着るかもしれないとの思いから捨てきれずに残された衣類が少なからずあります。読み終わった本も、いつかまた読むかもとの思いからあちこちに平積み状態です。ネット社会になった現在は、いつでも無料であらゆるジャンルの音楽が聴けるので、音楽CDは私には不要です。が、家には昔買った音楽CDがたくさんあります。その他、あったら便利かもとの思いから買った不要な物に囲まれています。終活としてこれらを断捨離します。そしてこれからは何か物欲が出たときは、それが本当に今の自分に必要か時間をおいて考え「あったら便利は、無くても大丈夫」と自分に言い聞かせるようにしようと思います。
次に生きている間に何をしたいか、それはなんといっても趣味のピアノでリスト作曲のラ・カンパネラを弾くことです。ご存じの方もいるかもしれませんが、この曲はバイオリニストのパガニーニの曲をピアニストのリストがピアノ用にアレンジしたものです。日本では、先日亡くなられたピアニスト、フジコ・ヘミングさんの演奏が有名です。この曲はピアノを弾く人にとって一度は弾いてみたい憧れの曲のナンバーワン! といっても過言ではないのではないでしょうか。小難しい専門的な解説やこの曲の魅力をこの場で語るのはさておいて、この曲は超絶技巧が随所にちりばめられており最上級レベルの難曲と言われています。曲を聴くだけではなく演奏の指さばきを見ても圧巻です、ぜひ皆さんもインターネットで検索してみてください。私も死ぬまでにはなんとしてもこの曲に挑戦し、絶対弾きたいと思っています。50になってちょっと死を意識することで今何が必要で、何がしたいのか少し見えた私の終活第1弾でした。