2階病棟/稲見研二

 自分は子供の頃から海に行くことが多かったことから、釣りや海水浴・磯遊びをすることが好きなのですが、その中でも一番好きなのは磯遊びです。磯遊びとは干潮時に一時的に出来る「潮だまり」とよばれる水辺で磯の生き物を観察することなのですが、釣りや海水浴ほど荷物を準備する必要のない磯遊びは気軽に出かけることができますし、運が良ければ水族館や図鑑でしか眺めることの出来なかった生き物とも触れ合うことのできるので、自分にとって磯遊びは手軽に自然の中で遊べるアウトドアレジャーのひとつとなっています。

 自分の好きな磯遊びスポットはいくつかあるのですが、市内からの手軽さや生き物の種類の多さから、おすすめしているのは塩谷海岸(香南市夜須町)の海です。市内から車で1時間程度というお手軽さが非常に良く、浜からすぐにサンゴを拝むことが出来るうえに干潮時には遠浅の海岸に巨大な磯だまりがいくつも出現します。柏島等と比べると魚影は少ないですが塩谷海岸には生き物の住処ともいえる海藻が多くみられるので甲殻類やウミウシ、時にはタコやウツボなども見ることができ生き物の種類の多さはかなりのものがあると思われます。

 網を二つ持って海藻を挟みこむ形でガサガサっとするといろいろな生き物が採れますが、管理された海水浴場とは違い磯場には危険がつきもので毒や牙・棘を持つ生き物や時には訳の分からない形状の生き物もいます。皆さんは「ゾエア幼生」って知っていますか?夏の海に大量発生する体長わずか3mmくらいのエビ・カニの子供みたいなものなのですが、体に鋭い棘が生えていて、これが刺さると虫刺され状態になります。自分も気づかないうちに刺された経験が何度もあるのですが、これが衣服の中に入ると大変なことになります。別名が微笑ましい名前なので良かったら調べてみてください。

 暖かくなってきた今日この頃、今年はどこへ出掛けようか、何をして遊ぼうか 計画を立てている人も多いはず。これから計画する方は、磯遊びを楽しんでみてはいかがでしょうか。子どもから大人まで楽しめる磯遊びは珍しい海の生き物と遭遇できるチャンスがいっぱいです。大人も童心に帰って磯あそび体験をしてみませんか?


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