栄養管理室/楠目知加

 みなさんは『夢をかなえるゾウ』という本をご存じですか?
私は10年ほど前に職場の友人に勧められて、手に取りました。関西弁の会話形式で進む内容に、どんどん読み進んだ記憶があります。2008年にベストセラーとなり、今では続編も加わって4部作になっています。

 さて、内容を簡単に紹介すると、ある日、ダメなサラリーマンの前にクセの強い神様『ガネーシャ』が現れ、偉人たちも行ってきたという課題を順に29個出してゆき、主人公は本当にこんなことで…と疑問を抱きながらこなしていくなかで成長していく…というものです。

 ここで『ガネーシャ』って?
いまさらながら、いったいどんな神様なのだろうと思い始めました。この作品では、コテコテの関西弁を操るゾウの顔をした、あんみつ大好き、ヘビースモーカーでクセの強い神様として登場します。

 実際には、困難やあらゆる障害を取り除いて福をもたらすとされる、豊穣・智慧・商業の神様で、インドで広く崇敬されており、何かを始める前には必ず礼拝するのだとか。
その姿は、4本の腕をもち太鼓腹の人間の体に、片方の牙が折れたゾウの顔をしています。わたしが見たものは、派手なピンク色をしていました。

 そして、なぜゾウの顔を持つのか?
諸説あるうちのひとつの神話によると、ヒンドゥー教で世界の破滅と再生を司る神様であるシヴァの妻・パールヴァティ―が、自分の垢を集めて人形を作り、そこに命を吹き込んで息子としてガネーシャを誕生させました。

 パールヴァティはガネーシャに、沐浴の間はだれも入れてはならないといいつけて、見張りをさせます。そこへシヴァが帰ってきますが、ガネーシャはそれが父であるとは知らず、母のいいつけを守ってシヴァを入れませんでした。するとシヴァは激怒し、なんとガネーシャの首を切り落として遠くは投げ捨ててしまいます。

 後にガネーシャが自分の子だと知ったシヴァは、投げ捨てた頭を探しにでますが、どうしても見つけられませんでした。そこで、最初に出会ったゾウの首を切り落として持ち帰り、ガネーシャの頭として取り付けて復活させた、というものです。

 なんとも予想外…。知らなくてもよかったような、想像もできないお話でした。
ゾウの顔の理由はさておき、まだ読んでいない続編を読んでみようかな。みなさんももし興味があれば手に取ってみてください。


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