デイケア/大井美紀

 私は、デイケアプログラム「土佐病院ダンスクラブ」(金曜日午前)のスタッフであり、メンバーの一人でもあります。今日は、私が生涯追求したいと思っている社交ダンスについて熱く語りたい!! ところですが…、紙面の都合上、私の指針『3つの三角形』(社交ダンスを長く続けてゆく上で大切にしたいと考えたこと)についてお話ししたいと思います。このように書くとまるで熟練者のように聞こえますが、実は、全くの初心者です(汗)。
※以下、プログラムに参加されているみなさんを「メンバー」と呼ばせていただきます。

 第1の三角形:「誠意・協調・進歩」
ご存知のとおり、土佐病院の基本理念です。私は、この3つが仕事や日常生活だけでなく、ダンスクラブの指針にもなると考えています。一緒に踊るメンバーを尊重し誠実であること、メンバーと私自身の技術の向上、そして、メンバーの意見を尊重し互いに協調しながら人生を豊かにするダンスを創ってゆく!

 第2の三角形:マズローの欲求段階説(土佐病院ダンスクラブ版)
生理的欲求→安全欲求→社会的欲求→承認欲求→自己実現欲求で構成されたマズローの欲求段階説(人間は自己実現に向かって絶えず成長する)を、ダンスクラブにあてはめてみました(学術的な根拠でなく、私の考えになりますが、とてもぴったりくると感じています)。
(1)まず土台は、五感を使う身体活動で脳や身体を元気に【生理的欲求】→(2)メンバーが自分らしくいられる安心・安全な場所【安全欲求】→(3)仲間と一緒に楽しむ【社会的欲求】→(4)お互いの強みを認め高め合う【承認欲求】→なりたい自分になる【自己実現】

第3の三角形:「守・破・離」
千利休の名言です。「守」は師匠の教えに従い、流儀、基本を守る段階。「破」は流儀を極めたあと、工夫して良いと思ったものを取り入れ、発展させる段階。「離」は流儀から離れ独自の新しいものを生み出し確立させる段階となります。つまり、基本を大切にすること、独創性は大事だけれども、順序を踏まないと思うような結果は得られないということですね。社交ダンスの基本には、骨盤を正しい位置に置くことをはじめ解剖学的に無駄のない動き方が示されています。基本を守り故障しない身体づくりをしながら、社交ダンスを楽しみたいと思います。


UP