プラタナスの風(ブログ)
勘違いと引き換えに

4 階病棟/中谷飛翔
入職2年半にしてようやくこのプラタナスの風を書かせていただくこととなりました。とは言いつつ、いざ書くとなると超インドアな私は皆さんのように紹介できるような趣味はなく、強いて挙げるとするなら古着や音楽が好きで、「aiko」や「宇多田ヒカル」が最近のトレンドだ。なんて話をしてもよいのですが、その魅力は皆さん周知の事実だと思うので今回は私の家族の話をちょこっとさせてください。
私の家族は両親と双子の弟の4 人家族です。双子だという話をすると「へえ?!珍しい!」なんてことをよく言われますが皆さんの学生時代、大体一学年に一組はいたと思いますし、私が中学生の時には同じ学年に一卵性の男子の双子がもう一組存在し、瓜二つの彼らに比べて大して似ていない二卵性の私たちは見向きもされませんでした。そんな弟は顔もそれほど似てなければ性格も真逆。まるで私の陽の部分を全て吸収したかの様に週末になると友達と出掛け、趣味は車や釣りという超アウトドア人間です。そんな彼ですが実は超天然な一面があります。面白エピソードは数えきれないほどありますが今回はその一つを御紹介します。
私の両親は夫婦で自営業を営んでいます。特に母親は1人で接客をしており今でこそ週1回は休みを取っていますが、私が学生の頃は祝日しか休みを取らず、家の家事もこなしていました。今考えると母の献身的な働きを思い頭が上がりません。そんな母は明るく社交的で交友関係も広く、当然私の友人の間でも有名人。ある日、弟に友人の一人が、「お前らのお母さんって顔広いでね」と何気なく言いました。すると弟は首を傾げ、「いや、そんなことないけどなぁ?」と納得がいかないような表情。知り合いの多い母のことなのにどうしてそんなことを言うのだろう。と私も疑問に感じ詳しく話を聞くと、なんと弟は「顔が広い=交友関係が広い」ではなく、単純に「顔が大きい」と言われたと勘違いしていたのです。必死に母を庇っていたと思うとかわいい奴です。すぐに訂正を入れ、弟の羞恥心と引き換えに母の良い評判は守られたのでした。
現在は弟も仕事に就き、一人暮らしをしているため、会う回数も年に数える程度となりましたが、年末年始やGWには家族で集まり食事をしながら話に華を咲かせるというのが恒例行事となりつつあります。次会う時にはどんな天然を披露してくれるのか今からワクワクが止まりません。
私の元気のもと

相談支援室/深瀬雪子
誰しもそうであると思いますが、生活していると毎日色んな事が起こります。雑事に追われあっという間に一日が過ぎてしまったり、プライベートの時間を上手に確保できなかったり、仕事のことで気持ちがいっぱいいっぱいになってしまったり…。
特に普段から気持ちが焦りがちな自分にとって、穏やかな気持ちになれる自分の時間や、リフレッシュの時間を持つという事はとても大切な事です。それを日常の様々な場面で感じ取るという事にほんの少し意識を向ける癖をつけることで、日々の気持ちの持ちよう自体も全然変わってくるな、とこのところ実感しています。
例えば、季節の移ろいや四季折々に咲く花の美しさなんかは、子供時分には何とも思わなかったものですが、通勤途中に綺麗に咲いている花を見て、「ああ、きれいだなあ」とじんわり思うだけで心の内側がぽかぽかしてくるような温もりを伴う穏やかさが沸いてきます。本当に単純な事なんですが、そこにある自然のものに五感を刺激され、嬉しさやありがたさが沸いてくるその瞬間は、さっきまであったモヤモヤがどこかに行き、それがたとえ一瞬でも有難いことだよなぁと思えます。
また、私は小さいころから犬や猫が居る生活でしたが、ここ数年は住居の環境から小さな文鳥との共同生活を楽しんでいます。カネラという名のその文鳥はよく懐いてくれとっても愛らしいのですが、外出中はついつい散歩している犬のお尻を見てしまいます。ご主人の方を見上げながら歩調を合わせ楽しそうに尻尾を立てお尻をフリフリ歩いているワンちゃんの可愛さに思わず顏がほころんでしまいます。
そんな時もまた、心の内側から暖かいものが沸いてきます。
以前は、仕事の関係から日常的に運動をしていたのですが、職場が変わりここ数ヶ月は運動を全くしなくなっていました。家でストレッチでも、と思っても基本的に必要に迫られないと取り組まない性質のため続かない。「このままではいかん、身体を動かすぞ!」と思い、先月から月に2度ほど市営体育館の1室を借りて“自分のための時間”と称し「やらねばならない環境」設定をし1回2時間運動の時間を持っています。これが案外良く、誰にも見えないのでヨガやストレッチ、ダンスに体幹トレーニングと好き勝手にでき、非常にアナログなんですが時にCDラジカセも持ち込んだりと、本当に“自分のための時間”作りになってくれているのです。部活後のような心地よい疲れも月に2回という頻度もちょうどいい。体育館は仲間同士でバドミントンしたりするときにも利用しますが、改めて市民に開かれた公共施設っていいなぁと感じたことでした。先月から続く私の新しい元気のもととして、これからも取り組んでいきたいと思っています。お見かけの際は、気軽に「体育館、行ってる?」と声がけしていただければ嬉しいです。
最近

3 階病棟/宮本由惟
今回、初めてプラタナスの風のバトンタッチを書かせていただきます。書くにあたって今までのバトンタッチを読ませていただくと、皆さん文章力が高くて楽しそうな趣味があって凄いなぁと感心しつつ、「どうしよう…私文章書くの苦手やし、人様にお披露目できるような趣味なんてない…」と困ってしまいました。一応ポケモンが大好きだったり動物が好きでペットを飼っているので、趣味として書いてみようと思いましたが、3行書いたところで書くことが思い浮かばなくなったのでボツにしました。なので、最近の出来事や感じたことを書いてみようと思います。
最近、甥っ子が生まれました。私は女系家族なので待望の男の子が生まれて宮本家は甥っ子にぞっこんです。私も甥っ子が可愛すぎて深夜明けや休みの日には、しょっちゅう姉の家に遊びに行ったり、姉夫婦がデートに行く日は子守りをしています。まだ生後2ヶ月なので、赤ちゃん赤ちゃんしていて本当に可愛くて仕方ないです。娘は一人っ子なので甥っ子を弟のように可愛がって一生懸命お世話をしてくれるのでその光景も微笑ましく感じます。
この前イオンに行った時に、甥っ子が泣き止まなくて困ることがありました。甥っ子は抱き癖がついているので娘と交代で抱っこしたり、急いで授乳室でミルクを作って飲ませたりして悪戦苦闘していると、「ほんと赤ちゃんのお世話って大変やね。ママ一人で(赤ちゃんの頃の)私のお世話をやりよったがやろ?ママありがとう」と不意打ちに娘が感謝をしてくれました。娘は小学4年生で、私と遊ぶより友達と遊ぶことを優先したり、「ママに正面から抱きしめられたら加齢臭が気になるき嫌!!」とハグを拒否されたりと、徐々に親離れしていく姿に寂しさを感じていました。なので急な感謝に涙腺が緩みそうになりましたが、ギャン泣きの甥っ子を抱っこしていたので、絶対「この人育児疲れで泣いている」と周りに思われたくなくて何とか涙を堪えてその場をしのぎました(笑)。
私は子育てを子供に見返りを求めず無償の愛を与え続けることだと思っていますが、感謝をされるとやっぱり嬉しく感じます。傍から見たら大した出来事ではないと思いますが、私にとっては「娘を生んでよかった。これからも娘のために仕事を頑張ろう」と感じられた特別な出来事でした。
つたない文章になりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
趣味? 思い出話?

ラフル/武田智宏
44歳になった今、趣味と呼べるものがほとんどない。あるとすればヘタな絵を描く事か音楽を聴く事くらいか…そうか、音楽を聴く事は趣味と呼べるものなのか。じゃあ誰も分からないような音楽の思い出話でもしようかな。
10代〜20代の頃はバンドでドラムを叩いていた。ジャンルは? と聞かれればハードコアとかパンクとか答えているけどそこで会話が終了する場合も多々。もともと陰キャでひねくれていた高校1年生は、いわゆるJ-POPと呼ばれるジャンルには見向きもせず、帯屋町の怪しいビルの地下にあったK-CLUBに入り浸っては、国内外のパンクのCDやレコードを買い漁っていた。同時期に幼馴染とバンドを結成し、そこからドラマー人生が始まるわけだがドラム教室に通うなんてダサい事はできないと思っていたケツの青い高1は一から独学。ということもあって基本的なリズムは多分今でも全然できていない。ライブではシンバルで手を切って流血しながら演奏を続けたり(武勇伝?)、演奏中ステージからダイブして後頭部を強打し前後の記憶が飛んだり(not武勇伝)した事はほろ苦い思い出。当時は高知のバンドシーンも最盛期で、血気盛んなパンクスがひしめきあっていた(はず)。高知から世界に名を轟かせるDISCLOSEもいたし。上町にあったおんぼろライブハウス「SOUND BOX」のギグ(GIG!!)に一人で行くのは少しおっかなく、半ば無理やり友達を引き連れて足を運び、そこでも県外からツアーで来る色んなバンドに影響を受けていった。
高卒後に3年間過ごした大阪はパンクスの聖地でもあり、人生の中で最もかけがえのないキラキラした(ドロドロした)思い出の詰まった場所。天王寺のこれまたおんぼろライブハウスで観たWARHEADというバンドのボーカルは、ビール片手に暴れる客のビールがかかり、それにブチ切れてベースで客をぶん殴って開始5分位でライブが終了してたし、CORRUPTEDという激重バンドのライブは低音が凄すぎてライブハウスの低い天井が落ちてくるんじゃないかとビビりながら観てた。観るもの聴くものどれもが衝撃的かつ刺激的だった。また音そのものだけでなく、バンドの持つメッセージや姿勢(アニマルライツ等)にも影響され、肉食を一時期やめていた事もあった。
好きなバンドは? と聞かれると、国内海外問わず数えきれないほど。そんななかでも日本の“LIP CREAM” というバンドは今でも世界一かっこいいハードコアパンクバンドだと思っている。好きなドラマーは? と聞かれるとCORRUPTEDの長谷川チュウさんにずっと影響を受けていると答えるけど、44歳になった今でも聞かれた事はない。
そんな感じで今でも大好きなパンクだけど、歳を重ねるにつれ変なこだわりもなくなり、今ではジャズもロックもHIPHOPもJ-POPもK-POPも聴くようになった。ただ演歌だけはまだ先のようだ。読んでくれてありがとうございます。
小さな楽しみ

1階病棟/山中奈津実
今、私は成人を迎えてから一年と、看護師となりもう少しで一年を迎えます。これまで自分が熱中して好きになるような事や継続して取り組められるような事が無かったので日常での趣味を作ろうと音楽や手芸まで様々なことに取り組んでみました。家族の影響からかアニメを見たり本を読むことは自分の生活の一部として習慣のようなものになっています。学生の頃などはお小遣いとして少しづつ貯めたお金を本を買うことに使うなどと繰り返してきたせいか、いつしか集めたマンガや小説などが押し入れの下段を埋め尽くす程の量にもなっていました。それでも熱中して続けられるような趣味になる事はまだ見つかっていません。
ここ数年で、地元を出て下宿をしながら学生生活を送ったり、実家とはまた別に家族と暮らしたりする中で、最近は家族から離れ1人暮らしてみたい、自分だけの家を持ちたいと考えるようになりました。本に囲まれた生活、好きになったアニメに関係するものを整理し飾れるような場所を作りたい、と自分の好きな空間を自分のできる範囲で整えたいと思い、どんな家に住みたいのか、物件をみたりする事が最近の小さな隙間時間の楽しみとなっています。物件を見始めたころは広さ、部屋の配置にはどんなものがあるのだろう、家のつくりは自分の好きな物があるのだろうか、今探しているエリアなら大体の相場はどのくらいなのかと考え始めたら終わりがなく、いつ自分が気にいるようなところが見つかるかと今も悩み続けています。家族にも「あんたには家を探すより建てた方が早い」と言われ、そうなのかもしれないと思うようにもなってきました。
家を見ている時、広告が流れてきたので、つい家づくりの資料請求をしてしまい、10社以上から資料が送られてきました。ですがそこで自分のめんどくさがりな性格が出てしまい、開けることなく紙袋にまとめられ押し入れにしまわれているのが今の現状です。いつか開ける時がくるであろうと思いながら結局そんなところで止まってしまっています。
今は、出来る範囲で自分の好きな事に時間を使える様な自分でいたいですし、この一年色んな事含め社会人っていいなと実感しています。好きなことを見つけ自分の生活で充実したと感じることが出来たらなと思っています。